留学保険とは「必ず入るべきもの」です。言うまでもありませんが、保険とはリスクに備えるためのものなので、何もことが起こらなければ掛け金は無駄になります。そう考えると、できれば保険料は払いたくないですよね。しかし、留学先は日本とは医療事情も治安状況も異なり、風土病など想像しにくいリスクがある地域もあるのです。ここでは、留学保険とはどのようなものか、基本情報をまとめます。
そもそも留学保険とは?海外旅行保険との違い
留学保険とは、一般的な海外旅行保険をベースとして、留学生に必要な補償をセットしたものです。
一般的な海外旅行保険は、渡航先で病気やケガをしたときの治療費、他人にケガをさせてしまったり他人の持ち物を壊したりしてしまった場合の賠償責任、自分の持ち物が破損したり盗難に遭ってしまった時の補償がついていますね。
留学保険には、長期滞在を想定して起こり得るリスクへのカバーがプラスされています。
例えば現地で医療機関を受診した時の費用補償。健康に気を使っていても、風邪をひいたり虫歯にかかることがありますよね。誰でも一年に一度くらいは何かしらの病院に行っているのではないでしょうか?
ある程度長期滞在するのであれば、留学中に病院に行く機会が当たり前にあると言って良いでしょう。また、虫垂炎(盲腸)など緊急手術以外に方法がない病気になる恐れもあります。
家財や身の回り品など生活用動産に対する補償サービスもあります。これも、カメラや時計などの携行品しかカバーしない海外旅行保険とは違う点です。
また、留守中に家族に不幸があった場合の緊急一時帰国費用のサポートも、留学保険ならではでしょう。
申し込むタイミングは?
基本的には、少なくとも出発する2~3週間前には、手続を完了しておく必要があります。加入手続の完了後に、保険会社から保険証券が送られます。渡航先での連絡先リストや提携病院のリスト、ガイドブックなども同時に届きます。それらを持参したうえで渡航先に出発する必要があるからです。
渡航先についた後では、日本の保険には入れません。保険会社の規則によってできないことになっています。出発前に慌てることのないように、早めに準備しておくよう心がけましょう。
ネット上では「出発日当日まで加入可能」という保険を紹介しているところもありますが、ほとんどが短期旅行専用の保険か、緊急用の高額保険商品です。留学保険の商品ではありません。
留学保険が必要な理由
海外では、トラブルに見舞われると解決にかかるお金が日本とはまったく違う場合があるためです。
まず、海外と日本とでは医療費が大きく異なります。例えば、盲腸の手術と入院費用は、日本でなら10万円程度です。3割負担で10万円ということは、実費でも33万円ということです。
しかし、海外では盲腸の手術に数百万円、入院で1日あたり数十万円かかる国もあります。アメリカで盲腸の手術を実費ですると、200万円以上です。
日本では救急車を要請しても費用は発生しません。しかし救急車の利用が有料とされている国は意外と多く、搬送距離や救急車内で行なった処理内容によって費用が加算される国もあります。発生した費用はすべて自己負担です。
長期間暮らすことを考えると、ホテル滞在とは違ったリスクもあります。例えば、借りているアパートで火事や水漏れを起こしたりすれば、法外な賠償金額を請求されることもあります。
もしそうなれば、留学を中断して帰国せざるを得ないかもしれません。なぜ保険が必要なのか?その答えは明白でしょう。
何かほかにメリットはあるのか?
英語が堪能な人であっても、急病になり自分の症状を現地の言葉で正確に説明するのは困難です。熱に浮かされたまま、医師の説明を正しく理解することは、ほぼ不可能なことです。また、手続の方法がわからない、請求書が届いたが内容が確認できない、と窮地に立たされることもあるかもしれません。
留学保険のサービスとして、ほとんどの保険会社では24時間年中無休のサポートセンターを設置していて、あらゆる「困った!」に対応してくれます。いつでも日本語で相談に乗ってくれる場所があるというのは、留学生にとっては心の支えにもなるでしょう。